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時系列データの外れ値・変化点を見つける方法

長いログを目で追って、一瞬のスパイクや段差を探すのは大変です。外れ値と変化点を数値の基準で見つける考え方と、その手順をまとめました。

更新日: 2026-11-03

外れ値と変化点の違い

  • 外れ値: まわりの点から飛び離れた点です。センサーのひげ、瞬断、ノイズなど、すぐに元へ戻るものです。
  • 変化点: 値の水準や傾きが変わった時刻です。運転条件の切り替え、故障の始まり、ドリフトの開始などです。

探し方も違います。外れ値は「その点がまわりからどれだけ離れているか」、変化点は「その時刻の前と後で何が違うか」を見ます。

平均と標準偏差ではなく、中央値と MAD を使う理由

よく使われる「平均 ± 3σ」は、外れ値そのものに平均と標準偏差が引っ張られるので、大きな外れ値があるほど見逃しやすくなります。そこで、外れ値に強い中央値と MAD(中央値からの差の絶対値の中央値)を物差しにします。

ロバスト Z =(値 − 中央値)÷(MAD × 1.4826)。1.4826 を掛けると、正規分布の標準偏差に相当する大きさになります。目安は、2 が敏感(候補が増える)、3 が標準、4〜5 は確実な異常だけです。

窓幅としきい値の決め方

  • 外れ値(Hampel の方法): 各点を中心に窓をとり、窓の中の中央値と MAD で Z を求めます。窓は、探したいスパイクより長く、ゆっくりした変化より短くします。
  • 変化点: 各点の前と後に窓をとり、前後の違いがふだんより大きい所を候補にします。窓は、探したい変化の長さくらいにします。段差なら平均の差(レベル変化)、ゆるやかな変化の始まりなら傾きの差(勾配変化)を使います。
  • 注意: 一定の値が続く信号や、分解能の粗い(量子化された)信号では MAD が 0 になり、1 目盛りの違いでも候補になることがあります。

Excel や Python でやるとき

Excel でも、MEDIAN 関数を相対参照で並べれば移動中央値は作れますが、行が多いと計算が重くなります。Python なら pandas の rolling で移動中央値を作り、Z を計算できます。どちらも、見つけた候補をグラフで確かめる手間は別にかかります。

LOGADEC で見つける手順

  1. ブラウザで今すぐ試すから起動するか、無償版をダウンロードして、展開した HTML ファイルを Google Chrome か Microsoft Edge で開きます。
  2. CSV を読み込み、[系列]タブで調べたい系列を表示します。
  3. [解析]タブで「外れ値検出」の欄を開き、窓幅としきい値を確かめて[外れ値を検出]を押します。結果の表とグラフ上の印で、位置と Z を確かめます。
  4. 「変化点検出」の欄では、方式(レベル変化(平均差)/勾配変化(傾き差))を選んで[変化点を検出]を押します。条件に迷ったら[⚙ おまかせ実行]で、窓幅・しきい値・方式を自動で決められます。
  5. 何から調べればよいか分からないときは、[総合診断]で外れ値・変化点・周波数異常・相関崩れなどをまとめて洗い出せます。

「ブラウザで今すぐ試す」のページには、異常を仕込んだ試験データ風のサンプル CSV と、答え合わせ付きの解析チュートリアルがあります。くわしくは説明書の時間の解析をご覧ください。

Q

よくある質問

FAQ
しきい値はいくつにすればよいですか。

ロバスト Z で 3 が標準です。候補を増やしたいときは 2、確実な異常だけを見たいときは 4〜5 にします。

総合診断とは何ですか。

変化点・外れ値・周波数異常・相関崩れ・相関などの解析を、窓幅などを自動で決めて順に実行し、所見を 1 つの表にまとめる機能です。何から調べればよいか分からないときの入り口です。

見つけた外れ値で、元のデータが書き換わりますか。

いいえ。読み込んだ元のファイルは書き換えません。解析の結果は表とグラフ上の印で示します。

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お手元のデータで、そのまま試せます。